君が嫌いな君が好き
「えっ…な、何で?」

呟くように聞いてきた私に、
「何でって、仕事の依頼をしにきたんじゃないですか」

彼は何がおかしいんだと言うように言い返した。

「そんなところにつっ立っているんだったら、こっちにきて座ったら?

仕事の依頼はもちろんのことだけど、いろいろと聞きたいんだよね」

そう言った彼に私はパタンとドアを閉めると、向かい側のソファーに腰を下ろした。

彼に視線を向けると、
「改めまして、アプリ会社『TOKYO GIRL』代表取締役社長の久米泰成(クメタイセイ)と申します」

私と目があったのと同時に、彼――久米は自己紹介をした。

「…京極梅乃です、ゲームプランナーです」

私も自己紹介をした。

「どう言ったジャンルのゲームを担当しているんですか?」

久米が聞いてきた。
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