君が嫌いな君が好き
むむっ、聞いてきたか…。

当然の質問なのかも知れないけれど、答えた場合のこいつの反応が怖い。

「そうですねえ…。

今までたくさんのゲームを担当しましたけれど、特に女性向けの恋愛ゲーム――世間一般で言う“乙女ゲーム”のことですね――を担当していることの方が多いですね」

正直に答えたら、
「へえ、乙女ゲームをやってるんだ。

酔っ払って愚だを巻いてて、幸せになりたいって叫んでたあんたが乙女ゲームのプランナー?」

久米はバカにしたように言い返した。

すみませんね、こんなヤツが乙女ゲームのプランナーなんかやってて。

「例えばアドベンチャーゲームの『ドランクモンキー』とかパズルアクションゲームの『マジカルガール』、最新作は『制服フェチはお好きですか?』とか…」

担当したゲームを思い出しながら名前を挙げていたら、
「えっ、それって全部100万ダウンロードを記録したアプリゲームですよね?」

久米の反応が変わった。
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