君が嫌いな君が好き
「それで、どう言った仕事のご依頼で?」

そう聞いた私に、
「ええ、実は我が社の方にも女性向けの恋愛ゲームを取り入れようかと思いまして。

男性向けの恋愛ゲームはあるんですけれども、女性からの人気を得るために女性向け恋愛ゲームのアプリを制作して欲しいと言うのが今回の仕事の依頼です」

久米が答えた。

男性向けの恋愛ゲーム――いわゆる、“ギャルゲーム”や“ギャルゲー”と呼ばれているヤツである――を扱っているのか、ふーん。

まあ、こいつが女に苦労したことがないって言うくらいだからそうなんだろうな。

「なるほど、そう言うことですか。

いいでしょう、引き受けます」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「えっ、いいの?」

久米が驚いたと言った様子で私を見た。
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