君が嫌いな君が好き
名刺だった。

「あっ、しまった」

まだ名刺を渡していない。

「ちょっと待ってください」

カバンから名刺入れを取り出すと、
「名刺です」

名刺を1枚取り出して、久米に渡した。

「ああ、どうも」

久米はそれを受け取った。

「では、これで失礼します。

詳しいことはまた後日と言うことで」

「わかりました、よろしくお願いします」

私が返事したことを確認すると、久米はソファーから腰をあげた。

「失礼しました」

久米は会釈をするように頭を下げた後、その場を後にした。
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