君が嫌いな君が好き
「こ、講義…」

「こう言うのはまず体験からだと思うんだよね。

実体験をした方が書きやすいじゃん」

「なるほど…」

まさか、社長直々にアドバイスをもらわれるとは思ってもみませんでした。

めちゃめちゃと言っていいほどにしっかりとしていらっしゃる。

「じゃ、講義を始めるとしますか」

久米はそう言って、私の手を繋いできた。

「おっ、わっ…!?」

ぎゃーっ、手を繋がれたー!

心の中の叫びが出そうになっていたら、
「はい、これが恋人繋ぎね」

久米が繋いでいる手を得意気に見せてきた。

「おっ…」

これが噂の“恋人繋ぎ”と言うヤツですか。
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