君が嫌いな君が好き
「すごいな、遠くまでよく見えるよ」

久米の声に顔をあげると、彼は窓の外を見ていた。

窓の外はキラキラと夜景が輝いていてキレイだった。

「わーっ、キレイ…」

観覧車は上へ上へと昇って行く。

頂上に到着したら、今度は下へと降りないといけないんだよね。

このまま観覧車が止まってしまえばいいのに…と、私は不謹慎なことを思ってしまった。

そしたら、もう少しだけ彼と一緒にいられるのに…。

「どうだった?」

久米が聞いてきたので、
「えっ、何が…?」

質問の意味がわからなくて、私は聞き返した。

と言うか、何か話をしていたっけ?

そう思っていたら、
「ゲームのデートシーン、体験したから書けそう?」

久米が聞いてきた。
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