君が嫌いな君が好き
2人のお姉ちゃんの身長が160センチ以上で元ファッションモデルだった母親に似てとても美人なのに対して、私は154センチと身長が低いうえに姉弟の中で唯一の父親似である。

父親は化粧品会社の研究員として働いていて、容姿もスタイルも全て平凡だ。

弟は175センチと姉弟の中では高身長なうえに母親の遺伝を強く受けたこともあってか、かなり端正な顔立ちをしている。

その端正な顔立ちから、学生時代は“若様”と言うあだ名で呼ばれていたのだそうだ。

子供の頃から気さくで人懐っこい性格のため、大人になった今でも友達が多くて人脈もかなり幅広い。

美人な2人のお姉ちゃんと要領がいい弟に挟まれた私は容姿もスタイルも父親と同じく平凡で、学生時代は彼らを好きになった相手の橋渡し的な役割をしていた。

今考えると、それが私が“恋愛の女神”として呼ばれる原点になったんだな…と言うのはどうでもいい!

「私だって幸せになりたいんだよー!」

「うるさいな!」

その怒鳴り声に、自分が今いる場所を思い出した。
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