君が嫌いな君が好き
「俺、何か気に障るようなことを言った?

何が気に入らなくて、手を出したの?

君の身に何かあったから、俺は殴られたんだよね?」

どうしてなのよ…。

今さら気づいたって仕方がないじゃないのよ…。

相手は結婚するんだよ?

私以外の人と結婚することになっているんだよ?

なのに、何で今さら気づかなきゃいけないの?

「――あなたが好きだって言ったら、あなたは迷惑でしょう!」

気づきたくなかったのに、気づいてしまった。

久米のことが好きなんだとわかってしまった。

「何が迷惑なんだよ。

結果的には両思いって言うことじゃないか」

「結果って何が?

何をどう言う風に決めて、結果を決めているの?

もうすぐであなたは結婚するじゃないの!」

言ってしまった後で我に返ったが、時すでに遅しだった。
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