君が嫌いな君が好き
そうだ、結婚式が終わった後に行きつけのバーにやってきたんだ。

「すみません…」

ただでさえ小さい躰をさらに小さくさせながら謝った後、カクテルを口に含んだ。

甘いのはカクテルだけか…。

カウンターのうえにグラスを置くと、私は息を吐いた。

「何かあった?」

その声に視線を向けると、私の隣に男の人が座っていた。

すっきりとしている一重の目元に俳優なのかと思うくらいの整った顔立ち、親戚に白人がいるのかと聞きたくなるくらいの色白の肌は…今流行りの塩顔系男子と言うところだろう。

黒髪はパーマがかかっているのか天然なのかはわからないが、その無造作な感じが彼を引き立たせているように思えた。

年齢は…年下か同い年くらいか?
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