諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます
最終面接は、明日だ。
「陽琉、明日だろ? 今日来ても大丈夫だったのか。また、ミスするんじゃないんか?」
松岡さんは、ピヨを抱き胡座をかいて私に言った。
その仕草にドキっとしている自分がいる。いやいや、ないない。
「し、し……失礼ですね。大丈夫ですよ。やるときはやりますから」
その気持ちを悟られないように自分の胸をバンと右手で叩いた。
「まあ、そんな自信あれば大丈夫か。そういえば、コバと昇哉さん、頑張ってんな! 昇哉さん、忙しいのにね。有難いね」
ねぇ、ピヨ、ねぇと彼は甘える声でピヨに話しかけていた。
いつも、ピヨと話しているが返事もしない動物に何を感じるのだろう。
彼は動物から愛情を求めているのだろうか。
まだ、私が知らない彼がいるかもしれない。