諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます

コバさんとくるみさんは、その言葉で振り返った。

「どうした! ひよっち」

「陽和?」

「なんでもない。いや―お前らがおかしくてな」

 彼は、ケラケラ笑っていた。

コバさんは真面目な顔になり、眉をひそめた。

「……本当か? なんか、今日ひよっち変だぞ」

 松岡さんの異変にコバさんはいち早く気付いた。

「大丈夫。コバ心配しないで」

 彼はそう言って、コバさんは私を見てきた。

 私は、首を振った。

 多分、彼なりにコバさんには言わないほうがいいと思ったのだろう。
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