諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます
ゆっくり、ペンを持って何も書かれていない紙に時間をかけて小松陽琉と丁寧に書いた。
「小松陽琉……。俺と、陽っていう漢字一緒じゃん。俺も陽和って書いて、陽って書くんだ」
そう言って松岡さんは私からペンを奪い、私が名前を書いた隣に松岡さんの名前を書いていた。
陽、本当だ。同じだ。
「同じですね」
私は松岡さんの名前を見た。
女性みたいな名前で可愛いと思えた。
陽和か。
私もこんな名前が良かったな。
そんなことを思いながら、松岡さんの名前を見ていた。
すると、松岡さんは私に言ってきた。
「……いい名前だな。陽流って漢字も明るいイメージがするし、こういう名前もいいよな。俺なんて陽和だぜ。外見も中身も陽和って感じしないだろ」