諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます
松岡さんは私のことを分かっているかのように優しい目をして微笑んでいた。
純粋に嬉しかった。
自分の心を読み取ってしまいそうな松岡さんに親しみを感じてしまいそうで、私は話を変えた。
「……ところで、週何日程度行けばいいですか?」
拍子抜けた声で、あ? うんと私に言った。
「……あ―毎日」
「毎日ですか? それは困ります」
「あ―大丈夫。午前か午後だけだから
。それは陽流に任せるから大丈夫だよ」
私は右手に胸をあて、ホッとした顔をした。
「良かったです。では、これからお願いします」
いやいやこちらこそと言い、照れた様子で私に言った。
「……じゃあ、頑張ろうね!」
松岡さんは、右手を差し出して私に握手を求めてきた。