諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます

「べ、べつに意味はありません」

「そう。ならいいけど。陽琉にはあの古本屋で頑張ってほしいんだ。いろんな意味で」

 いろんな意味。

私の目的は、夢を叶えるためだけじゃないの?

「……分かりました」

「じゃあ、俺はあの広い草原行くから。ここまでな。気を付けてな! またな」

 松岡さんは私にそう言い、ピヨとあの広い草原に向けて歩き始めた。

 その後ろ姿は、あどけない子供っぽさを残しつつも頼もしい背中であった。
< 69 / 197 >

この作品をシェア

pagetop