ブロックノイズ
スクリーンに「殺アリ殺ナシルーレット」の文字が表示され全てを悟った参加者に一気に緊張が走る。

「聞いてねーぞそんなの!」
「ふざけんな!」

罵声が飛び交うのも納得できた。しかしルノアはそれを聞かず、用意されたルーレットを勝手に回し始める。ゲートから出ようとする者もあったが、全てのゲートが完全に封鎖されていた。

「いっきまーーーす!」

ルーレットの勢いを最大限まで出したタイミングで、ルノアは参加者に向かって満面の笑みで指パッチンをして見せた。

「よーいスタート!」

すると、「殺アリ」「殺ナシ」と交互に書かれたルーレットの一コマ一コマを囲う細かな電飾が走り始める。
右回転のルーレットに対し、電飾は常に真上に位置しているため全てはルノアの力加減に左右されることとなった。
次第に勢いを弱めていくそのルーレットを全員が固唾を飲んで見つめる。

「くるよくるよー!さぁどっちだ!」

光に導かれるようにゆっくりと流れてきた文字は「殺アリ」だった。

「来ましたー!アリですよアリ!ということで殺してOKです!いやー、昨年から二年連続とはいいですな〜。てなわけでこれもポイントの条件として設定しときますねー」

全てが終わった、そうとしか思えなかった。
急な決定に絶望する者と歓喜する者が入り交じるこの空間。リーナの表情も当然のごとく曇っていた。

「あーもう私無理かも、まさかこうなるなんて、一気に絶望の淵に立たされた。あー……死にたい」

「いや、死にたいっていうか死なないようにしないといけないんだけどな」

「リーナはこの僕が命をかけてお守りするから安心しなされぃっ!」

「お前よくそんなテンションでいれるよな、生死も関わる中で今から48時間だぞ?尊敬するわ」

「はーーい!静粛に!王宮からの鐘の音が聞こえますかー!」

ルノアの声で場が沈みようやく耳に入る鐘の音。

「じゃあグループはサクッと決めまーす…ほいっ!」

かけ声と共に鳴らした指パッチン一つで800人全員から青く光る光のロープが伸び、無作為に近くの人間同士で繋がれていく。

「ではグループが決定しました!あなたのグルメンと挨拶しましょー」

「え、ウソ…」

その光景にリーナが言葉を失う。
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