アラサーの結婚事情。
「ね?ご飯食べよ?どうしても食べてほしいのがあるんよっ。ね?お願いっ……」


「………。」



シカトかい。

顔を上げ、候を見上げる。

ここで引き下がれば、唐揚げは絶対明日になる。

「お願いしますっ」

目で訴えてみる……作戦。


「……うーわ、ズルい。俺が弱いの知っとるくせに。わかったわかった、先にご飯ね」

チュッとリップ音を口にあて鳴らした。


………この一年で候の扱い方がわかってきたからな。

私も悪い女だな。
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