年下のあの人
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今日は、あの人と席が離れてしまった。
私は他の子と話をしていた。あの人も、他の子と話をしていた。あの人も私と同じでLINEの話をしていた。
あの人、LINEもってるんだ…。交換したいな。
そんなことを考えていたら、いきなりあの人が、
『LINE交換しよ!』って。
私は嬉しくて、飛び跳ねそうになった。
それからあの人は自分の紙をちぎって、IDを書いた紙を渡してくれた。
家に帰って、さっそくあの人とLINEをした。一度送った文章は消えない事を知らなくて、私は何度もなんども文章を送ってしまった。
あの人は夜中にいつもけいたいをさわっていることが分かったから、私は、いつも寝る前はけいたいをとられちゃうのに、バレないようにこっそりもって、あの人とはなした。幸せだった。
あの人は、毛筆のある日にいつも聞いてくれた。

─今日、何時に行く?─

話せば話すほど、あの人への想いが抑えられなくなる。
どうしたら話が続けれるかな?あの人は好きな人いるのかな?
私は思いきって聞いてみた。
―好きな人、いるの?─

─いないよ。はるかちゃんは?─

─いるよ。─

─誰?同じクラスの人?─

─ちがうよ。年下。習い事が同じ人。─

─ちょっと待って。はるかちゃんと習い事が 同じ人は3人だけど、はるかちゃんがよく話すのは俺だから…
もしかして、俺?─

えっ!なんでわかっちゃったの。どうしよ…
その日の私は、眠さで限界だった。半分ねぼけながら私は返事を返した。

─あたり。ここまで言われちゃったんだから最後まで言わせて?りくとくん、好きです。付き合ってください。─

─ありがとう。考えさせて。─

朝になって、私はとんでもないことをしてしまったことに気がついた。さらに、今日は毛筆がある日。あと2回であの人は中学生になるから毛筆を辞めてしまう…

─今日は、何時に行く?─

あの人からだ。でも、気まずいし…
会いたいけど…
私は初めてあの人に嘘をついた。

─分かんない。─

あの人と会わないように、わざとはやい時間に毛筆へ行った。
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