溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「中へどうぞ」
促されて京介さんとお母様の前に座る。
「こんなにかわいらしいお嬢さんとお付き合いしていたなんて、京介、ひと言も言ってなかったじゃない」
誉められたような気がしないのは、口調のせいかもしれない。
棘を含んだ言い方だった。
“かわいらしい”というのが皮肉に聞こえる。
「ごめん、実はまだオッケーをもらったばかりで」
「そう……。ナオミさん」
お母様が私の方へ身体を向ける。
「お父様はどういうお仕事をされてるの?」
「母さん、不躾なことはやめて」
「なにを言ってるの、大事なことよ」
京介さんをピシャリと跳ねのける。
私に“答えなさい”という念を送ってよこした。
あまりの恐ろしさに口が開かない。
「会社を経営しているんだ」
黙ったままの私に代わって彼が答える。