溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「あらそう。どんな?」
さすがにそこまでは京介さんに話していなかったので、彼が困ったように私を見るのを頬に感じた。
「……宿泊施設を……小さいのですが……」
蚊の鳴くような声で答える。
「宿泊施設? ホテルかしら。それじゃ同業者ね。なんていうホテル?」
「あの……」
私が答えられるはずもない。
ホテルなんて立派なものじゃないのだから。
「母さん、その辺にしてくれるかな。ナオミさん、びっくりしているじゃないか」
京介さんの制止が聞いたのか、お母様が口を閉じる。
それでも射るように見つめる視線が和らぐことはなかった。
「まぁいいでしょう」
「それで大事な話ってなに」
京介さんが尋ねると、お母様は私をチラッと見てから「その話は帰ってからにしましょう」と目線を手元に下げた。