溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
彼の手がカットソーをたくし上げ、キャミソールの中へと忍び込む。
不意に、正体不明の痛みが胸の奥で大きく膨らんできた。
瞼が熱くなる。
涙が込み上げ、それをせき止めることができない。
「……ナオミ?」
キスが止み、京介さんが私を見下ろす。
戸惑ったような目だった。
「ごめんなさい」
そう言った途端、さらに涙が溢れる。
その瞬間、身体が軽くなった。
彼が私を解放したのだ。
「……本当にごめんなさい」
その隙に起き上がってバッグを持つ。
もう京介さんの顔は見られなかった。
玄関まで自分の足音に追われるようにして歩き、扉を開けた。