溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
一方的とはいえ京介さんとの関係を終わりにしてしまった以上、彼が前へ進めるようにするしかない。
私にできることは、それしか思い浮かばなかった。
「亜樹、顔上げて」
恐る恐るといった様子で亜樹が顔を上げる。
その目は、どこか怯えているようにすら見えた。
「怒っていないから心配しないで」
「……え?」
彼女の目が揺れる。
「私とじゃ、先が見えていたから」
セレブはセレブ同士。
それが当然の成り行き。
私は、ほんのひとときでも夢のような時間を過ごせたことに感謝しなくてはならない。
「副社長のお母様に嘘がばれたの」
「……それじゃ、もしかして今回の異動はそのせいで?」
「うん……」
容赦のない異動かもしれないが、クビにならなかっただけでもありがたいと思わないといけない。