溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

いくらすべてが明らかになったところで、ハッピーエンドにはならない。
それなのに私は、亜樹のことを裏切るような真似をしてしまった。
『もうなんともないから』なんて友達面しておきながら、こうしてまた京介さんに会ってしまった。
最低の友達だ。

京介さんから離れるべく、身体をよじらせる。


「……美緒奈?」

「ひどいことをして本当にごめんなさい」

「もういいから」


もう一度私を引き寄せた京介さんの胸を押した。


「でも、やっぱり無理です」

「無理ってなにが?」

「亜樹と……酒井亜樹さんと結婚するんですよね?」


京介さんの顔が一瞬で曇る。

やっぱりそうなのだ。
それならこうしているのは亜樹を裏切ることになる。
京介さんから逃れようと、もう一度胸を押す。
ところが、その腕を再び掴まれてしまった。


「そんな話があったことは事実だ」

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