溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「だって、会って話さなきゃ、美緒奈はここに来ないだろうから。違う?」
逆に聞き返されてしまった。
「そうだけど……。もしかして、亜樹が彼になにか言ったの?」
美緒奈とナオミを結びつけるようななにかを。
いくら声がそっくりだとしても。
首筋の絆創膏に違和感を覚えたとしても。
香りがナオミと一緒だとしても。
それだけで美緒奈イコールナオミだと確信できるものだろうか。
昨夜は、京介さんの言ったことをそっくりそのまま信じてしまったけれど。
亜樹の瞳が左右に揺れた。
「私は別に……。ただ、『副社長のほしいものは、意外と近くに潜んでいるかもしれませんよ』って言っただけ。副社長はポカンとしてたけどね」
亜樹がヒントをあげていたのだ。
少し漠然としている感はあるものの、それまでに私のことを怪しんでいたならば、ピンとくるかもしれない。
「でも、どうして結婚を取り止めにしたの?」
「やだ、そんなこと聞くの?」
亜樹は私を軽く睨んでみせた。