溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

◇◇◇

亜樹のマンションをあとにして職場へ着けば、早速井森さんから「ちょっとちょっと」と呼ばれた。
更衣室の隅に私を連れて行き、「あのあと、どうなったの?」と好奇心に満ちた目が私を捕える。


「……彼のマンションへ」


ボソボソと答える。
すると井森さんは花が咲いたようにぱっと明るい顔になった。


「それじゃ、丸く収まったの?」

「……丸いかというとそうでもなくて……あちこち鋭く尖ってはいるんですが……」


なにしろ、一番の強敵である京介さんのお母様問題は解決していない。
井森さんは「上川さん、おもしろい」と言いながら笑った。


「その話は、またあとで詳しく聞かせてね。まずは今日も一日、仕事を頑張りましょ」


片手で拳を握って、軽く突き上げる。
私もそれを真似て気合を入れた。

< 201 / 255 >

この作品をシェア

pagetop