溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
涼子さんはさらに目を大きく見開いて、京介さんと私を見比べた。
「なんだかよくわからないけど、中身は変わらないわけよね?」
「はい」
「それならいいのよ。えっと、美緒奈さん、だったかしら? これからはそう呼べばいいのよね?」
「よろしくお願いします」
深く頭を下げた。
またひとつ肩の荷を下ろせたように感じた。
部屋へ案内され、涼子さんがお茶を淹れてくれる。
「ふたりともちょうどいいタイミングで来たわね」
「なんですか?」
「京都から湯葉が届いたの。そのコース料理なんてどう?」
湯葉のコース料理なんて食べたことがない。
つい目を輝かせて京介さんを見つめる。
すると京介さんは、「その前にちょっと涼子さんにお願いが」と会話を遮った。
「京介さんが私にお願いなんて珍しいわね。なにかしら」
涼子さんは正座した背筋を伸ばして、京介さんに耳を傾けた。