溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「別にあなたのことを許したわけじゃありませんから。そのへんのところはよく肝に銘じておくのよ」
「はい!」
思わず元気よく返事をしてしまい、それに対してお母様は『うるさい』とばかりに耳を押えた。
「それでは、お母様――」
「“お母様”?」
言いかけたところで待ったが掛けられる。
片方の眉を吊り上げて私を見た。
「……あの、ではなんとお呼びしたらよろしいでしょうか……」
「……とりあえず名前で」
「お名前ですか?」
目を大きくして確認する。
「それしかないでしょ?」
それもそうだ。
「では、“舞子さん”と呼ばせていただいてもよろしいでしょうか」
「ちょっとあなた、誰がファーストネームだと言ったのよ。名字に決まっているでしょ」
ぴしゃりと言い放った。