溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「そうよ。何度言ったら理解するのかしら、まったく」
「ま、舞子さん」
恐れながらも、彼女の洋服をツンツンと引っ張る。
「なに」
ぶっきらぼうな返事だった。
「全部なんですか? しかも三つずつで?」
どうしてそんなに大量に。
もしかして、ひとつは使う用でひとつは保管用、あとひとつは……展示用?
「そうよ。いけない?」
眉毛が吊り上る。
「いえっ、いけなくはないのですが……」
本当にあのセリフを聞けるとは思わなかった。
「私と涼ちゃん、それからあなたの分よ」
「え!? わ、私ですか!?」
素っ頓狂な声が出てしまった。
周りにいた人の視線が何事かと一瞬だけ私へ向いたあと、アーティストのグッズへと舞い戻る。