溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

「そうよ。何度言ったら理解するのかしら、まったく」

「ま、舞子さん」


恐れながらも、彼女の洋服をツンツンと引っ張る。


「なに」


ぶっきらぼうな返事だった。


「全部なんですか? しかも三つずつで?」


どうしてそんなに大量に。
もしかして、ひとつは使う用でひとつは保管用、あとひとつは……展示用?


「そうよ。いけない?」


眉毛が吊り上る。


「いえっ、いけなくはないのですが……」


本当にあのセリフを聞けるとは思わなかった。


「私と涼ちゃん、それからあなたの分よ」

「え!? わ、私ですか!?」


素っ頓狂な声が出てしまった。
周りにいた人の視線が何事かと一瞬だけ私へ向いたあと、アーティストのグッズへと舞い戻る。

< 212 / 255 >

この作品をシェア

pagetop