溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

「そうよ。……いらないとでもおっしゃるつもり?」

「いえ! 滅相もございません! ほしいです。はい、とっても」

「好きだからここへ来たのよね?」

「はい、そうです。その通りです。大ファンです」


興味がないとは言えなかった。
ライブ自体が初めてだ。
わざわざ人ごみに自分から進んでいくようなことは、日頃から避けてきたからだ。
そもそも、ライブへ行くほど好きなアーティストもいない。

私の返答に満足そうに頷き、舞子さんはもう一度スタッフへ「全部三つずつよ」とお願いした。

当然ながら会場内へ持ち込める量ではない。
終了までここで預かってもらうこととなった。

開演時間を迎え、私をうしろに従えた舞子さんと中へと入る。
席は、京介さんが手配しただけあって最前列だった。
周りの人たちの様子からすると、もしかしたら業界関係者の席なのかもしれない。

しばらくすると会場の明かりが一斉に落とされ、その瞬間、「ワー!」という歓声が上がる。
隣の舞子さんを見てみれば、胸の前で手を組み、うっとりとした表情でまだ暗いステージを見つめていた。

アップテンポなイントロが流れると、会場内はさらに盛り上がりを見せる。

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