溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

大好きなアーティストのステージを観て心に余裕があるからなのか、初めて私に向けられた笑顔だった。

グッズ売場のスタッフが台車に載せてくれた段ボールを運ぶ。


「……これは?」


迎えに来てくれた京介さんが、それを見て唖然とする。


「今日の戦利品よ」

「ずいぶんと買い込みましたね」

「私のだけじゃないのよ? 涼ちゃんと……」


舞子さんは私をチラッと見てから「美緒奈さんの分と三人分」と言った。
ちょっと罰が悪そうに見えるのは、京介さんと私の仲を認めていないからか。

京介さんは瞬きを繰り返したあと、私を探るような目で見る。
『うまくいったの?』と言っているような眼差しに、どう答えたらいいのか迷ってしまう。

舞子さんと仲良くなれたのか、それともまだまだなのか。
首をゆっくり傾げつつ頷く。
京介さんは図りかねたような顔を浮かべたものの、目には笑みが滲んでいた。


「楽しかった?」


トランクに荷物を積み込みながら京介さんが尋ねる。

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