溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

「それから……」


ほかにもまだあるらしい。
今度はパソコンのデスクトップ上に保存されたファイルをクリックした。


「顧客管理システム関連のものは全部ここにありますので、これも上川さんに……」


そう言いながら、部署共有フォルダに移し替えていく。


「あ、あとこれもだ」

「まだあるの?」


次々とフォルダを仕分けていく荒野くんのパソコンに顔を近づける。


「当り前じゃないですか。あ、これも」


なにかと見てみれば、それはもともと彼自身が担当していたものだった。


「どさくさに紛れないの」


彼からマウスを奪い取り、それを切り取って元の位置に戻すと、荒野くんは「ばれたか」と頭を掻いた。

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