溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「俺は食材の調達担当」
「では、ここにある魚はお父様が釣ったものですか?」
「そうなんですよ。それから野菜もうちの畑で採れたものですよ」
どこか自慢げにお父さんが胸を張る。
「畑もお持ちなんですか」
京介さんは感心したように大きく頷いた。
「猫の額ほどですけどね」
お母さんの皮肉に、お父さんが「そんなことはないぞ」と反論する。
お酒が入っているせいか、声まで大きい。
「食べられるようになるまでにどれほどの苦労があるか、母さんにはわからんだろう」
「その食材を料理するのに、私がどれほど頭を悩ませるかわからないでしょう」
「ちょっとふたりとも! 恥ずかしいからやめてよ」
どうして今そんな言い合いをするのか。
京介さんは隣でクスクスと笑っていた。
なんだか気恥ずかしい夕飯の食卓だった。