溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「美緒奈にはずっとおあずけを食らってるし」
そう言われて顔が熱くなる。
京介さんと朝まで一緒に過ごすことから、なにかにつけて逃げてきたことは事実。
そういうことは、京介さんのお母様に認められてから。
そう言っておきながら、いよいよお許しが出ても、彼のマンションに泊まったことはないし、私の部屋に泊めたこともない。
「それとも美緒奈は、俺とはそういうことはしたくないとか?」
大袈裟すぎるくらいに首を横に振った。
それはない。
断じてない。
ただなんとなくタイミングを逃してきてしまったというか。
とにかく恥ずかしいのだ。
「それじゃ、したい?」
単刀直入に聞かれると、どう答えたらいいのか困ってしまう。
温度がチリチリと上がっていく頬を隠すために、京介さんの胸に押し当てた。
「俺は抱きたくてたまらないけどね」
追加された言葉が、私の鼓動を強く刺激する。
坂から転がり落ちるボールのように、心拍数がどんどん上がっていくのを止められない。