溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「眼鏡を着ける予定は?」
「そうですね。この頃やっとコンタクトレンズにも慣れてきましたので……」
企画部へ戻ってからというもの、眼鏡を一切しなくなったのだ。
彼女本来の美しさを前にして、社内の男たちが色めき立つのを見るにつけ、やるせない気持ちになる。
自分がこんなにも心にゆとりのない男だとは思いもしなかった。
それもこれも、ふたりの関係性を公にできないからにほかならない。
美緒奈が俺の婚約者だと発表すること。
それはなによりの牽制材料になるからだ。
副社長の女に手を出そうとは思わないだろう。
「美緒奈、俺たちのことを会社のみんなに発表しよう」
「突然どうしたんですか?」
美緒奈は目を丸くした。
「突然じゃない。ずっと考えていたことなんだ」
「ダメですよ。舞子さんにきつく釘を刺されているじゃないですか」
「母さんは俺が説得する」
美緒奈の両肩に手を置き、彼女をじっと見つめる。