溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
背中に京介さんの逞しい胸を感じて、体が強張る。
そうした瞬間、今度は耳を甘噛みされた。
「――きょ、京介さん!」
漏れそうになる吐息を理性でなんとか堪える。
とはいえ、それにだって限界がある。
体が熱を覚えるのは、温泉で温まっているせいだけじゃない。
京介さんのなめらかな指先がじらすように素肌を這うから、冷静さを保つことが困難になる。
京介さんは、それを楽しんでいるようにすら見える。
そうこうしているうちに、首筋に唇を這わせ始めた。
次第に頭がボーっとしてくる。
……あれ? これは違う。ちょっとまずいかもしれない。
そう思うと同時に、私は意識を手離した。
…………
…………
頬に風を感じる。
額がひんやりとして、なんだか気持ちがいい。
そんなことをうつらうつらと考えながら、だんだんと意識が息を吹き返したように戻っていく。
薄っすらと瞼を開けると、そこには心配そうに私を見下ろす京介さんの顔があった。
「……よかった。やっと目を開けてくれた」