溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
ホッとしたように私の頬に手を当てる。
もういっぽうの手にはうちわが握られていた。
それで仰いでいてくれたみたいだ。
額には冷えたタオルが当てられていた。
「ごめん、美緒奈。ちょっと意地悪が過ぎたようだ」
「私……」
「湯あたりだろう。急に意識を失うから驚いたよ」
――ということは。
一気に意識がクリアになる。
体を一気に起こすと、視界が揺らいだ。
「大丈夫?」
京介さんが体を支えてくれた。
自分の身体を見てみれば、簡単にではあるものの浴衣が着させられている。
京介さんが私に着させてくれたのだろう。
つまり私は、あれだけ隠そうとしていた裸を京介さんにバッチリ見られてしまったということだ。
それを悟って、顔から火を噴きそうなほど恥ずかしさが込み上げる。
「美緒奈? まだ具合悪い?」
「……悪いです。ものすごく」
「どこ? 気持ち悪い? 頭が痛い?」
京介さんが私の体のあちこちを確かめるようにする。