溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

ひとり暮らしのアパートに帰れば、すぐにゆったりした部屋着に替えて、ダラダラ過ごすことがなによりの私の癒し。
撮りだめしたドラマを観たり、ミステリー小説を読んだり。
寝て起きた状態のまま、休みの日に一歩も外へ出ないこともざら。

そんな生活に拍車が掛かったのは、大学時代から付き合っていた彼氏と別れてからだ。
綺麗にしたところで誰が誉めてくれるわけでもない。
どんどんと見た目に気を使わなくなっていった。

それに引き替え、亜樹は週末の度にパーティーだ、合コンだと大忙しだ。
そのためにネイルサロンや美容院へもまめに行き、ファッションにも詳しい。
私とは正反対の人種と言える。


「それにね、今は困らなくても何年かしたら絶対に困るの」


亜樹は私に諭すように、ゆっくりとした口調で言った。

そこまで断言できる根拠はなんだというのか。
今どき、結婚が女の幸せだということもない。
ひとりで強くたくましく生きている女性はたくさんいるのだから。


「パーティーに着ていくような服だってないから」

「それなら私のを貸してあげる。サイズはだいたい一緒だし」


身長は同じ。ただ、亜樹の方がグラマラスだ。

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