溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
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亜樹にパーティーの報告をしていて時間がなくなり、和風定食のほとんどに手をつけられないまま時間切れとなってしまった。
とはいえ、胸がいっぱいで食欲が減退気味だから空腹を感じることもない。
亜樹と別れエレベーターで十二階まで下降し、私の所属する企画部へと向かう。
企画部は、ル・シェルブルにおける中期経営計画の策定や年間予算の策定、新規事業計画や企業の社会的責任であるCSR~企業の社会的責任の推進など多岐にわたる。
その中で私は主に、新規事業計画の事務処理などを担当している。
本社は地上二十階建て。
私がついさっきまでいた社員食堂は、十九階にあって眺望がなかなかいいと評判だ。
ドアを開けて入ったところで、なにやらざわついた雰囲気を感じた。
「あ、上川さん、今から緊急の打ち合わせだって」
ふたつ後輩の荒野(あらの)くんがノートパソコンを抱えた。
「打ち合わせ?」
「副社長が直々にお願いしたいことがあるそうだ」
私の質問に答えてくれたのは、企画部の岸本(きしもと)部長だった。
副社長という単語を聞いただけで、私の胸はざわつく。