溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

私がドジを踏んだばかりに、京介さんまで濡れるはめになってしまった。
謝る私に京介さんは右手を横にヒラヒラと振った。


「大丈夫だよ。でもナオミに風邪をひかせるわけにはいかないから、早いところ行こう」


京介さんに手を引かれて歩き出す。

私たちのすぐ目の前には、白亜に輝くリゾートホテルがあった。
おそらく、そこへ行くつもりなのだろう。

フロントで鍵を受け取り、エレベーターに乗り込む。
部屋を取ったという事実が、私の鼓動を速めた。

これからどうなるんだろう。
もしかして、今夜はここに泊まる……?

不安に包まれる私をよそに、京介さんに別段変わった様子は見られない。
私ひとりばかりが緊張しているように感じた。

部屋はごく普通のツインだった。


「先にシャワーを浴びておいで」

「は、はい……」


京介さんに抱かれていた肩を思わずビクンと弾ませると、彼はクスッと笑った。


「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。無理やり押し倒したりしないから」

< 92 / 255 >

この作品をシェア

pagetop