溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
私がドジを踏んだばかりに、京介さんまで濡れるはめになってしまった。
謝る私に京介さんは右手を横にヒラヒラと振った。
「大丈夫だよ。でもナオミに風邪をひかせるわけにはいかないから、早いところ行こう」
京介さんに手を引かれて歩き出す。
私たちのすぐ目の前には、白亜に輝くリゾートホテルがあった。
おそらく、そこへ行くつもりなのだろう。
フロントで鍵を受け取り、エレベーターに乗り込む。
部屋を取ったという事実が、私の鼓動を速めた。
これからどうなるんだろう。
もしかして、今夜はここに泊まる……?
不安に包まれる私をよそに、京介さんに別段変わった様子は見られない。
私ひとりばかりが緊張しているように感じた。
部屋はごく普通のツインだった。
「先にシャワーを浴びておいで」
「は、はい……」
京介さんに抱かれていた肩を思わずビクンと弾ませると、彼はクスッと笑った。
「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。無理やり押し倒したりしないから」