溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「……オミ、ナオミ」
揺り動かされる感覚に瞼をゆっくりと持ち上げる。
私を置いて立ち去ったはずの京介さんが、なぜか目の前にいた。
状況が飲み込めない。
「大丈夫?」
「――置いていかないでください」
弾かれたように身体を起こす。
京介さんのバスローブを思わず掴んだ。
……え? バスローブ?
そこで頭の中が急にクリアになる。
いつの間にか眠っていたのか、夢と現実の境目がつかなくなっていたみたいだ。
「……ごめんなさい」
バスローブから手をパッと離し、膝の上に置いてギュッと握った。
恥ずかしすぎる。
「夢でも見てた?」
「はい……」
「何度も俺の名前を呼ぶから、どうしたのかと思ったよ」