短編集(ホラー)
『先にいってるよ。』

一言の手紙と、火がつけられたろうそくがあった。

「なぁんだ。やっぱりKの演出だったみたい…。」

「しかもろうそくつけたままって…。火事にでもなったらどうするつもりなんだろ。」

Kを心配しつつも私たち3人の会話は、一時的に明るいものになる。

「先に行ってるってことは、あっちでも何か演出してるのかな?」

「Kの演出なら、ここみたいに結構怖いんじゃない?」

「早く見に行こうよ!!」

すっかり恐怖から解放された私たちは、Kの家にキチンと鍵をしめ、今回の目的地である墓地へと足早にむかった。
< 10 / 18 >

この作品をシェア

pagetop