短編集(ホラー)
続・肝試し・完
それは、安易な気持ちから始まった肝試し…。

私が住んでいた町は、当時から少し田舎じみた所だった。

家から少し行けば、寂れたちっぽけな公園があったし、町はずれには大きな共同墓地もあった。

もちろんその墓地も、いわくつきで…。

「火の玉を見たことがある」

「女の人のすすり泣きが聞こえる」

「深夜に近くを通ると、死人に追いかけられ、捕まったらあの世に連れて行かれる」

など、言い出したらきりがないぐらい。

まぁ、そんな噂さえも、子供だった私たちには楽しみの一つだった。

一つ噂がたてば、必ず誰かが確かめに行くほど、色めきたつこともできる。

私たちのグループも、その中の一つだった。

噂の墓地には何回か行ったこともあったし、今回の肝試しもその延長上にあった。

「そしたら、今日もいつもの所に10時で。」

放課後、いつものように約束をかわして、私たちはそれぞれの家に帰った。
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