短編集(ホラー)
―ピ~ンポ~ン―
普通この時間なら、家の人への迷惑を考えてチャイムなど鳴らさないが、Kは両親の都合で独り暮らしだったため、私たちはためらうことなくチャイムを鳴らした。
「……寝てる?」
「ありえるかも…。」
「でも、家の中電気ついて無いっぽいよ?」
「だから寝てるのかも。」
「どうかなぁ…。」
Kが遅刻してくる理由は、たいていが寝坊だ。
それに、少し抜けているところもあったため、家の鍵をしょっちゅうなくした。
あげくのはてには、鍵を開けっ放しのまま学校にくることもあった。
「あたしん家、入ってもなんにも盗るもんないから。」
いつのまにか、それがKの口癖になるほど…。
「でも、家の中に入れなくなるのは困るから…。」
そう言って、Kは何ヵ月か前に私たちに合鍵をプレゼントした。
渡されたと言わずプレゼントとしたのは、こんなオマケつきだったからである。
「その代わり、秘密基地みたいに使っちゃっていいから。あたしも、ずっと1人は寂しいから。」
普通この時間なら、家の人への迷惑を考えてチャイムなど鳴らさないが、Kは両親の都合で独り暮らしだったため、私たちはためらうことなくチャイムを鳴らした。
「……寝てる?」
「ありえるかも…。」
「でも、家の中電気ついて無いっぽいよ?」
「だから寝てるのかも。」
「どうかなぁ…。」
Kが遅刻してくる理由は、たいていが寝坊だ。
それに、少し抜けているところもあったため、家の鍵をしょっちゅうなくした。
あげくのはてには、鍵を開けっ放しのまま学校にくることもあった。
「あたしん家、入ってもなんにも盗るもんないから。」
いつのまにか、それがKの口癖になるほど…。
「でも、家の中に入れなくなるのは困るから…。」
そう言って、Kは何ヵ月か前に私たちに合鍵をプレゼントした。
渡されたと言わずプレゼントとしたのは、こんなオマケつきだったからである。
「その代わり、秘密基地みたいに使っちゃっていいから。あたしも、ずっと1人は寂しいから。」