いぬがみ君はつれない。
「おい、猫宮。」
「な、なによ。」
隠れる気があるのかないのか、
猫宮は自販機の横に
頭だけを隠してしゃがんでいた。
頭隠して尻隠さず、まんまだ。
「お前が王子を好きなのは勝手だが
周りが王子に話しかけにくくするのはやめとけ。」
「そうしたくてそうしてるわけじゃ…」
私だって、みたいにしおらしく照れてる猫宮にため息が出た。
「ったく。話しかけてみればいいだろ。
まずは友達になれるように努力してみろよ。」
そういったあとに気づいてしまった。
これはアドバイス、というものじゃないかと。
そして目の前の野良猫は、
期待の目で見上げてきている。
「…はぁ、ありえねー。」