珈琲はブラックで。


「そんなこと聞いてどうすんの?」


「私が聞きたいから、聞くの」


流れる雫を掌で何度も何度もこする紗綾。


そのせいもあり、目は赤くなっていた。


……こうやって我慢するのも変わらない。


紗綾は、素直じゃない。


そんなこと分かっているのに、分からない振りをする俺も素直じゃない。


「彼女の素直じゃない所が好き」


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