珈琲はブラックで。


「……うん」


「彼女の甘くて優しい匂いが好き」


「うんっ」


俺が言葉を伝える度に、紗綾は涙をその瞳に溜める。


「彼女の、拗ねた時の癖が愛おしい」


「……んっ」


声にならない声で、頷く紗綾。


< 11 / 21 >

この作品をシェア

pagetop