珈琲はブラックで。


俺だけが知っている、その癖。


かと思えば、また直ぐに雑誌へと視線を戻した。


「だから、紗綾……」


「私、帰らないよ。私の事気にしなくていいからね」


俺の言葉の先の言葉の返事を、一回りして返す紗綾。


「気にするから。兎に角帰っ…!?」


少し強引に紗綾の腕を掴むと、逆に腕を掴まれそのままベッドへと押し倒される。


男として女に押し倒されるなんて、どんな拷問だ。


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