四季物語
『サっ、サっ』

え、誰・・・?
この音は、誰かの足音。

なんでここに来てるの?
なんでここを知ってるの?

あたしだけの穴場だと思ってただけに、
ショックだし、気になるし、コワい。

好奇心と恐怖が入り混じった感情で、
あたしは音を立てないように顔だけを上げた。

「・・・」
「・・・」


やってしまった・・・・。

向こうからやってきた相手と眼が合ってしまった。
お互いそのまま一時停止。

シ・・・ンと凍りつく空気。
タイミングの悪いことに、風までもが止む。

まるで時間流からはみ出てしまったような・・・。
そんな時間。
 
< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop