四季物語
それはほんの一瞬だった。

その場は直ぐに流れに乗り、風が吹き始めた。
あたしも、恐る恐る口を開いた。

「あのぉ・・・」
「あー・・・・・な、何?」

苦笑い顔で聞かれたけど、聞きたいことはいっぱいある。
さて、どれから聞こう・・・・。

「え、と、」
「取り敢えず、名前、聞いとくよ」

相手は、やっぱり苦笑い顔でいった。
だからあたしは微笑んでみた。

「あたしは、花瑠(ハナル)。
春端(シュンバシ)花瑠(ハナル)」
「俺は季沢(キザワ)風也(フウヤ)」

その後、風也クンはあたしの隣に座り込んだ。
もう、苦笑い顔では無かった。
ちゃんと、ニッコリ笑ってくれてた。


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