秘密の交換をしよう
それまで、山崎を慕っていた女子、全員からの徹底的ないじめを受けた。
逃げたくても、転入試験を受けたり、引っ越したりするためのお金がなかったから、できなかった。
私はただただ、我慢し続けた。
とは言っても、ずっと香織ちゃんがそばにいてくれたから、そこまで追い詰められたりはしなかった。
それと、変わったことが一つあった。
私は若干男性恐怖症になっていた。
話すくらいは平気なんだけど、一定の距離を超えると怖くて、頭が真っ白になってた。
だから、女子大に進学することにした。
そして、香織ちゃんの家を出ることも。
それを香織ちゃんたちに話すと、香織ちゃんも同じようにするって言ってくれた。
本当は、友達に合わせて進学先を決めることはするべきじゃないって、わかってた。
でも、香織ちゃんが同じだって思うと、安心できた。
進学して美穂ちゃんと出会ってからは、よく三人で遊ぶようになった。
毎日が楽しくて、山崎のこととか、男性恐怖症であることとか、とにかく嫌なことをすっかり忘れてた。
それくらい、私の毎日は充実してた。
今の会社に入社してから、男性と関わるなってほうが無理がある状況になったけど、それでもなんとか生活してきた。
だから、今さら山崎にこの幸せな時間を壊されるのは、絶対に嫌なんだ……