秘密の交換をしよう
エピローグ。
次の日、翼君はバイトを辞めた。
翼君ファンは相当するショックだったみたい。
そもそも、たった二、三日しかバイトしてなくて、それで辞めるなんて可能だったんだね。
姫鈴さんの力、恐るべし。
それと、翼君はやっぱり私のこと、好きでもなんでもなくて、ただ姫鈴さんに指示されたから近付いたんだって。
翼君の親は、姫鈴さんの家の世話係で、断れなかったって言ってた。
そう言えば、まだ姫鈴さんになにもされないってことは、昨日のハルさんの本性、かなり堪えたのかな。
しばらくは安心してもよさそう。
「リーンリン。昨日の話、聞かせてもらおうか? 翼君とどうなったのさ」
昼休み、美穂ちゃんに捕まった。
今日は弁当がないから、カフェに行って昼食。
そこにはもう、香織ちゃんがいた。
……香織ちゃんにも、話さないといけないやつだよね。
「で? 佐倉君とはどうなった?」
香織ちゃんと相席にしてもらい、注文を終えると、早速。